小倉百人一首 第15番
今回は第15番です。
私なりの解釈を、下記に述べます。
なお、ねずさんの解釈はこちらです。
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2175.html (13~15番歌)
第15番
君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ
光孝天皇(男)
(人物及び時代背景)
第58代光孝天皇は、第57代陽成天皇が退位したのち55歳で即位した。
彼は、先帝である陽成天皇の祖父の弟に当たる。
当時としては、異例の高齢での即位であった。
9歳で即位した陽成天皇は暴君との評判があり、摂政だった叔父藤原基経により嫌われていた。
遂には宮中で乳母が撲殺される事件があり、強制的に退位させられている。
(注:ただし表面的には、病気による自発的退位である)
僅か17歳の若さであった。
若菜とは、この陽成天皇のことであろう。

(歌の解釈)
通常君は天皇のことを指すが、光孝天皇は天皇であるため、ここでの君は天下万民を示す。
春の野に出でては、天皇に即位して治世を行ない始めたことを示す。
その結果、まだ若い芽を摘むことになった。
兄の孫にあたる陽成天皇の退位である。
暴君だったとはいえ、前途あるまだ若い天皇を退位させてしまった。
争いにならないよう、あえて傍系で年配の光孝天皇が選ばれたのであろう。
天皇に即位するということは、本来ならめでたいはずなのであるが、こういう経緯があるから素直には喜べず、自分の心の中には冷たい雪が降っているのである。
そういう複雑な気持ちを詠んだ歌であろう。
心優しい人柄が伺える。
たとえ天皇であろうとも、暴君であれば退位させる。
そんな治世を行うのが、我が国日本の姿である。
これも合わせて理解できよう。
なお、百人一首の選者である藤原定家は、天智天皇・持統天皇の場合と同じように、天皇家が分裂しかねない状況に陥った場合、双方の歌を取り上げている。
中立性・公平性を保つためであろう。
諸外国では、歴史は勝者が一方的に作るのが一般的なのだが、それとも一線を画していることが分かる。
この歌の趣旨は、私には、このように感じましたが。
読者の皆さんは、どうだったでしょうか?
米「日本外し」示唆…TPP交渉
あらま、、、なかなかいい展開に。
メリットの少ないTPP。
このままのらりくらりとかわして、相手の方から断らせよ。
米「日本外し」示唆…TPP交渉
農産品関税譲歩へ強硬策
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、米国が日本を除く11か国での先行合意の可能性を各国に示していたことがわかった。
日米の関税協議が難航し、米国が日本に農産品の関税を撤廃させるための「交渉カード」の側面があるとみられる。日本は閣僚会合の最終日の25日まで、米国に交渉姿勢を軟化するよう求める方針だ。
交渉関係者によると、フロマン米通商代表部(USTR)代表は1月下旬に茂木経済産業相や林農相とスイスで会談した際、「日本が農産品で譲歩しなければ、日本抜きもある」と迫ったという。米国は他の交渉参加国にも、同様に「日本外し」を主張した模様だ。
このため、日本は22日に始まった閣僚会合で、一方的に譲歩を強いられることを懸念していた。例えば、米国が新興国に難航分野の交渉で譲歩し、日本が受け入れがたい高水準の関税自由化率(関税撤廃する品目の割合)で合意するなどのケースだ。
ただ、会合では米国と新興国との間でも、外資規制を撤廃するルール作りや関税交渉などで妥協点が見いだせていないことが次第に明らかになってきた。日本政府は、「日本だけ取り残される心配は少ない」との見方を固めつつある。
交渉参加国にとっては「米国に次ぐ日本市場の大きさは魅力的」(交渉筋)で、日本の主張に理解を示す新興国も出ている。米国は各国にも強硬に大幅な譲歩を迫っており、反発も少なくない。米国が関税撤廃の原則にこだわり、日米の対立が深刻になっているのと事情は同じだ。
日本は交渉の参加当時、米国との協調路線を軸に、米国と新興国の対立分野の交渉を仲裁しながら、農産品などで関税撤廃の「聖域」を守る戦略を描いていた。(シンガポール 水上嘉久、吉岡みゆき)
(2014年2月24日 読売新聞)