その後の世界

 
さて、戒厳令が発せられた後の世界です。
飢餓や異常気象からテロや戦争、はたまた巨大地震からポールシフトなど天変地異が地球を襲う。

そのため世界の要人達は、エリア51と呼ばれる地下施設などに避難する。
この裏の世界では、米国大統領といえども、単なる使用人に過ぎない。



ここまで考えて、ふと浅田次郎の小説を思い出した。
タイトルは忘れたが、やくざが主人公のコメディーである。

そのさわりを、簡単に紹介してみよう。
10年ほど前のことなので、細かな点は齟齬があるかもしれない。


やくざが、組事務所を引越しすることにした。
対立する組織との抗争が、激しくなってきたからだった。

暴対法で締め付けられ、パイが減ってきた。
しのぎを巡って、しばしば争いが生じた。

そこで引越しをすることにした。
その物件は、セキュリティが高いことが売りだった。

最新式の本人確認システムが取り入れられており、怪しい人物は一切は入れないようになっていた。
家賃は高目だったが、安全安心には代えられなかった。

引越しを済ませた後、隣人への挨拶もそこそこに、取引先へ赴いた。
取引先といっても、組の上部・下部の組織である。

一通り回って帰路に着いたときである。

つけられている!!
先程から、つけてくる車がいる。

一目でその筋と分かる怪しい車だ。
見覚えのある黒塗りの車が、バックミラーに映る。

急ブレーキをかけ、車を降りて取り囲む。
「てめえら、何でつけてくるんだ」
「おまえらこそ、何でわしらの前を走るんだ」

埒(らち)の明かない会話が続く。
どうも彼らの行きたい方向に、我々が進んでいるらしい。
そんな馬鹿なことはないと、前後を入れ替わる。

だが今度は、追いつ追われる立場が逆になる。
そして2台の車は、とあるビルの地下駐車場へ。
「やつら、このビルに用事でもあるのか??」

別々のエレベータに乗り上の階へ。
降りたところで、また出くわす。
そして、奴らは同じ方向へ・・・。

「やべえ、親分、もうばれたようですぜ、新しい事務所」
恐る恐る歩いていくと、奴らは隣の部屋へ入る。

ここで思い出した。
朝、隣の部屋に引越しの挨拶に行ったときのことだ。
そういえば、何となく見覚えのある顔がいた。

何のことはない。
安全安心を得ようと互いが引越しをした結果、同じビル内でお隣さん同士になったのである。

六本木ヒルズを題材としたコメディーである。



世界の要人が避難する地下施設でも、同じことが起こりえよう。

なにしろ、互いに仲は良くはないはずだ。
世界の支配権を巡って、常にライバル関係にある。
目的のためには、手段を問わない連中だ。

獲物が多いときは対立は目立たないが、少なくなり、ましてや狭い中に閉じ込められると、互いに反目し合うのにそう時間はかからないであろう。
地下施設内に多少の奴隷は残すとしても、数十億人レベルからいきなり数千人、数万人レベルに減らされるのだ。

ライオンやトラ、ピューマ、ワニにサメ。
いずれも、広い草原や川、海に住んでいて、豊富なエサとなる動物がいるからこそ、頂点に君臨できるのである。
狭い檻に閉じ込めたら、すぐに争いが始まるのは、明らかだろう。

世界を牛耳る悪魔達。

安全安心を求め、地下の施設に避難する。
だが、そここそが、彼らにとって、本当は非常に危ない世界なのである。

どうなるか、なかなかの見ものであろう。

 
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