立体交差する川

 
へぇ~。

岐阜県に、立体交差する川があるのだそう。

珍しいですね。
たしかに聞いたことがありません。

地震でできた断層により、川の上流が沈下し、川の下流が隆起したために、苦労して開墾した田畑が、生じた湖に沈んでしまった。

そこで、この段差を解消するために、一方の川底をかさ上げし、もう一方の川と立体交差させた。
当時の人たちが知恵を出して作り出したのだそう。

日本人は賢いですね。

都司嘉宣 濃尾地震(1891年)断層が生んだ川の立体交差
2013.6.17 07:36  産経ニュース


 JR岐阜駅の北方約10キロに位置する岐阜県山県(やまがた)市では、世にも奇妙な光景が見られる。市南部の高富地区で、まるで大きな幹線道路の交差点のように、川同士が立体交差しているのだ。

 北から南へ流れる鳥羽川の下を、西から東へ流れる三田叉(さんたしゃ)川がくぐり抜けている。いったいなぜ、このようなことになったのか。原因は明治24(1891)年10月28日に発生した濃尾地震にあった。岐阜・富山県境の両白(りょうはく)山地から、岐阜県南西部の濃尾平野北部にかけて延びる濃尾断層帯のうち、主部の根尾谷(ねおだに)断層帯、梅原断層帯など計約80キロの断層が一斉に滑ることで起きた地震だ。

 マグニチュード(M)は8.0で、日本の陸域で発生した地震としては観測史上最大の規模だった。そのため、死者は岐阜県の旧美濃国部分と愛知県の旧尾張国部分を合わせて7千人を超え、全壊家屋も約14万戸におよぶ大被害となった。

 さて、鳥羽川の立体交差地点から約300メートル南の下流域では、濃尾断層帯の一部である梅原断層が、川とほぼ直交していた。濃尾地震では梅原断層も活動し、断層の上流では地盤を沈下、下流では地盤を隆起させた。約1.5メートルの段差が生じてダムのように鳥羽川をせき止め、上流側の広い水田地帯は、突然現れた大きな湖の底に沈んでしまった。

立体交差する川
(山県市提供)

 苦労して開墾した水田地帯を取り戻すため、当時の人たちは知恵を絞り、地盤沈下した上流側の川床を、かさ上げすることを思いついた。断層上流の鳥羽川両岸に高さ約2メートルの堤防を建設。その上で、土砂などで川床の高さを段差の分だけ上げ、下流へスムーズに流れるようにしたのだ。

 工夫は功を奏して、鳥羽川は本来の川筋を取り戻した。しかし、これだけでは湖は完全になくならない。西岸でつながっていた支流の三田叉川が、かさ上げされて水位が高くなった鳥羽川に合流できず、水があふれ続けることになる。

 立体交差は、これを解決するために生まれた。以前の合流点の位置で、鳥羽川を載せた堤防をトンネル状にくり抜いて三田叉川を通し、西岸から水抜き。東岸へ抜けた水は、鳥羽川に平行して作った新たな水路に流し、両川の水位が同じになる約1.7キロ下流で鳥羽川と合流させた。湖は消え、高富地区は再び広い水田地帯を取り戻した。

 川同士の立体交差という全国でも珍しい光景は、濃尾地震による川の氾濫に苦労した、先人たちの知恵だったのである。(つじ・よしのぶ 建築研究所特別客員研究員=歴史地震・津波学)


 
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