学位について

 
30人を超えたあたりで、数えるのをやめた。
次から次へと出てくるのである。

同級生から始めて、先輩、後輩、元職場の上司、同僚、部下など。
身近な人から数えていたのだが、次から次へと出てくるので、分からなくなってきた。

何の人数かというと、学位をもった知人の数である。
学位とは『博士』のことである。

『末は博士か大臣か』

昔の人はこう言ったようだが、いまどき博士なんて別に珍しくも何ともない。
博士を初めとして学歴は、人数の増加による価値低下(インフレ)が激しい世界なのだ。

私は決して交友関係は広くないというか、むしろ狭い方であるのだが、それでも軽く30人を超えてしまう。



ほかの研究分野ではどうなのだか知らないが、ある意味ではバイオ系だと博士号が取りやすいのだと思う。
材料が豊富だからだ。

私はもう20年以上前にバイオの世界からは足を洗ったのだが、学生時代からずっと一貫して思っていたことがある。
基本的にバイオの世界は、大半が模倣で成り立っているということだ。

目新しい内容は、ほんのごく僅かに過ぎない。

同じ手法を用いて『ある遺伝子』をクローニングし、同じ手法を用いてその遺伝子配列を解析し、同じ手法を用いてその遺伝子産物であるタンパク質の解析をする、等々。

あるいは、同じ手法を用いて『ある抗原』のモノクローナル抗体を作成し、同じ手法を用いてそのモノクローナル抗体の生体内での挙動を調べる、等々。

大半が同じなのだ。
違うのは材料だけ。

遺伝子であれば、元となる動物の臓器や細胞、あるいは微生物の種類が違うだけ。
あるいはその逆で、動物の臓器や細胞、あるいは微生物の種類で、似て非なる遺伝子でもよい。

とにかく右を見ても左を見ても、どこかで見たことのある、同じような内容の論文や学会発表ばかりなのである。
必然的に、文面もほとんど同じになる。

全く独自の研究をしているところなんて、国内ではほとんどというか全くといっても良いだろう、ないのである。
大半は欧米の追試をやっているに過ぎない。

「材料を変えたけど、同じ結果が出ました」、、、みたいな。(笑)
「でも比較すると、ここが微妙に違います」とか、、、へぇー、それで??

こんな風に言ったら、怒る人も多数いるかとは思いますが。

でも、これらがリジェクト(拒否)される理由にはならないんですね。
大半がアクセプト(受諾)されます。

こういう世界なんです。

逆に全く独自の研究を始めると、その人は排除されてしまいます。

日本社会の悪いところですね。
出る杭は打たれるんです。

たとえ赤信号であっても、みんなで渡るんですね。
横並びをもって良しとする。

だから部外者が現実を見ずに、論文や博士号を特別なものとして考えてしまうと、本質を見失ないますね。
模倣するつもりがなくても、必然的に中身が似てしまうものなんです。

今回のSTAP細胞の騒ぎを見ていると、そう感じました。
本題とは別の点で叩かれているのを見ると、気の毒ですね。



ところで、博士には2種類あります。
課程博士と論文博士です。

博士 (ウィキペディアより)

博士の取得方法としては、博士課程に在籍して学位審査に合格、修了した者に授与される課程博士と、在学しないまま学位審査に合格した者に授与される論文博士がある。



論文博士は日本独自の制度であり、批判があるのも事実。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14105822649

だが、どちらが優秀かと問えば、答えは明白だ。
論文博士である。

まぁ、私の知る限りではあるが、ほぼ例外がない。
課程博士で優秀な人は、あまり見かけない。
(さらに付け加えるならば、昨今の課程博士は、数の増加に伴って、明らかにレベルが低下してきた)

博士号の取得は、早い話、お金の問題なのである。
そのお金を誰が出すか?

課程博士の場合は、実家の両親であろう。
つまり、実家が裕福な人でしかなれない。

一方論文博士は、会社が優秀な人を選んで、その人に資本を投入するのである。
優秀なのは、必然的。

この論文博士。
知らない人もいるかも知れないが、高卒でも取れる。

たとえ高卒であっても、企業等の中で豊富な研究歴があり、そのうえで論文が評価されればよいのである。
極端な例ではあるが、そういう経歴と実績があれば、別に大学に行く必要はない。
まぁ、年齢的には早くても40代ぐらいにはなるが。

でもまぁある意味、下剋上である。
学位は、大卒、院卒を超える。

だから、それが彼らの励みにもなっている。


しかし、文科省は、論文博士の制度を廃止したいようである。
もう20年も前から議論になっている。

だが、この論文博士の制度をやめたら、研究者レベルのさらなる低下は否めないであろう。
先にも述べたが、課程博士に優秀な人はあまり見かけない。
近年、それが顕著になっている。

だからまぁ、中には不届きものがいるのも事実ではあろうが、この論文博士の制度を変えるべきではなかろう。

 
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コメント

No title

今回のSTAP細胞の騒動には、何かやりきれない想いがありますね。

「失意」とでも言うのでしょうか。

およよさんの文面からも、そんな想いを感じます。

それでも久しぶりに「声」がたくさん聞けて、私は嬉しく思います。

No title

ここを読んでみてください。
スタップ細胞実は存在するのかもしれません。

http://nezu621.blog7.fc2.com/?no=2233

Re: No title

オメガさん、以下も参考になります。

STAP細胞騒動の裏側(特許争奪戦)
http://doushiseirin.blog110.fc2.com/blog-entry-1748.html

私(飯山一郎)に由来する植物性乳酸菌が、今回の「STAP大騒動」の“発端”になっている!と指摘され…、これに対応するために超多忙になってしもた。(飯山一郎)
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-7447.html

http://grnba.com/iiyama/
◆2014/04/13(日)  有頂天から失意のドン底へ
なぜ天国から地獄へ落とされたか?
このことが今回の騒動の最大の謎!

◆2014/04/11(金)  コトの発端は 乳酸菌
大田准教授が真相を語れば
STAP細胞の謎も解ける

小保方氏の言葉「本当」と見る専門家も
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20140413-1284695.html

あと、この件の直前にあった偽ベートーベン騒ぎ。
こちらはマスゴミも深く関与しています。
これを闇に消そうとする意図も感じます。

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